触覚若手の会 第8回集会 IEEE World Haptics Conference 2019勉強会@VRSJ2019


触覚若手の会 第8回集会 World Haptics Conference 2019勉強会は終了しました!
次回もよろしく願いします!!

Updates
・2019年9月15日(日):事後報告を追加
・2019年9月4日(水):懇親会情報更新
・2019年9月3日(火):会場情報更新
・2019年8月30日(金):プログラム微修正(疑似査読者会議グループCに一名追加)
・2019年8月28日(水):プログラム微修正(論文担当者一名交代)
・2019年8月15日(木):プログラム公開
・2019年8月10日(土):参加登録締め切り
・2019年7月16日(火):ウェブページ公開

事後報告

2019月9月10日(火),東京大学本郷キャンパス2号館の会議室にて19名の若手触覚研究者でWorld Haptics Conference 2019の勉強会を実施しました.今回勉強会は,幹事を除いてはじめて参加される方が多い中,活発な質疑応答があったような印象を持ちました.

論文紹介 1人1本のWorldHapticsのベストペーパー,およびノミネート論文を読み,その研究概要を4分間で発表,4分間で質疑応答をしました.参加者の方は論文をしっかり読み込んで発表していたため,わかりやすい発表でした.特筆事項として,学部・修士・博士課程の学生,教員,企業の方という多様的な参加者であったのが印象的でした .

論文カテゴリ分け 研究のトレンドを掴むために,各論文に対して,参加者全員でキーワードを考えていただきました.一通りキーワードが揃った後,カテゴリ分けを実施しました.今回は,多少無理やりですが,デバイスとレンダリングの2つのグループと幹事団で全体の傾向を議論するためのグループの3つに分けました.


疑似査読会議 前回のEuroHaptics勉強会と同様に疑似査読者会議を行いました.各グループ毎に1本のベストペーパーを選んでいただきました.(今回はベストペーパー,ノミネート論文の中からベストペーパーを選ぶため,どの論文もレベルが高く,選ぶのが難しそうでした.)

全体的に,和気あいあいとした雰囲気で議論していました.




査読結果発表 各グループの代表者がベストペーパーに選んだ論文とその理由を発表していただきました.

デバイス論文グループでは,The many dimensions underlying perceived softness: How exploratory procedures are influenced by material and the perceptual taskをベストペーパーに選びました.研究の新規性が高く,実験系を従来の手法を利用している点が評価されていました.また,研究の信頼性を担保するための分析を入れている点が特徴的でした.研究・開発への利用範囲が広いことも高評価につながりました.

レンダリング論文グループでは,Spatiotemporal Haptic Effects from a Single Actuator via Spectral Control of Cutaneous Wave Propagationをベストペーパーに選びました.大きな目的から絞っていくという論文構成や,予備実験から各パラメータを決定しているという定量的な視点が良い点と述べられていました.また,知覚実験の面と物理的な面(数理モデル)の両面から評価している点,研究のインパクトおよび新規性が高い点が高評価でした.

幹事団では,WorldHapticsの全体の傾向や共有すべき情報について議論しました.今回のWorldHapticsでは,Facebook Researchの研究が最も採択されました.Oculusが市場展開されているのもあり,新しい触覚デバイスの研究を加速させているためだと考えられます.触覚において,計測手法は大事なのにも関わらず,論文が少ないという話がでました.今はセンシング側よりもアクチュエータ側に注力されている傾向が強い印象を持ちました.前回・今回のWorldHapticsのベストペーパーはレンダリングに関する論文でした.考えられる理由として,レンダリング論文は穴が少ないためだと考えられます.逆にデバイス系でベストペーパーが取れないのか?という点に関しては,提案したデバイスの評価項目を設定することができれば良いのではないかという話になりました.新しいデバイスを開発したときに,どの点を評価すれば良いのかを今後議論できたら良いと思いました.別の視点では,主観評価を行うことは良いことだけれど,なぜやるのかが明確になっていないことがあるという意見も出ました.そのような意見もあり,幹事団ではシステム評価に注力したSoft Exoskeleton Glove Enabling Force Feedback for Human-Like Finger Posture Control with 20 Degrees of Freedomが高評価でした.

前田的感想 今回の勉強会で発表していただいたのは,ベストペーパー,ノミネート論文であるため,レベルの高い研究が多いことが印象でした.レベルの高い研究の特徴は,数理モデルと知覚評価の両面からアプローチしている点です.日本の触覚研究では,着眼点や体験が新しいデバイスをつくりましたという論文が多い気がします.そのデバイスをどのように評価し,論文に仕上げるかというのは今後議論していきたいと思いました.



懇親会では,非常に賑やかで若手同士の交流を深めることができたと思います.


最後に,会場の手配をしてくださった伴先生ありがとうございました.
(豊田中央研究所 前田 智祐)

World Haptics Conference 2019勉強会とは

World Haptics Conference 2019で発表された論文を勉強するための会です.5分間の論文紹介を参加者全員が行うことで,World Haptics Conference 2019で発表された論文内容を広範囲に渡って勉強します.また,自分達で論文を評価することによってどのような基準で論文を採択しているのかも考えます.これらのプロセスを通じて国際学会で採択されるような研究テーマの立案や論文の書き方を勉強します.具体的には以下の内容を考えています.
・発表者は5分で自分が読んだ論文を紹介
・発表された論文全体を分類することでトレンドを把握
・分類した論文に点数を付けてレビューを行い,査読者心理を学ぶ
触覚以外の研究分野からの参加も歓迎します!

開催概要

2019年9月10日(火)13:00 - 18:00(受付開始12:30)
会場:東京大学 本郷キャンパス 工学部2号館 232講義室
〒113-8654 東京都文京区本郷7丁目3−1
http://www.kikaib.t.u-tokyo.ac.jp/map2/


参加方法

下記Google formより,参加登録してください(締切:8月9日(金)23:59).
https://forms.gle/3n8jQNvVEBZ9iMDf9
飛び入りでの参加希望の場合はyounghaptics[at]gmail.comまでご連絡ください(ご返信にお時間をいただく場合がございますがご了承ください).

発表準備

発表テンプレート
https://bit.ly/2xKZxsX
・事前にWorld Haptics Conference 2019の論文を読んで,それをスライドに纏めて下さい.
・論文は各発表者につき
Technical Paper1本を考えています.
・論文のデータは参加者宛にこちらからメールでお送り致します.
・文字が多めになっても構いません
・スライドの例
・1ページ目:タイトル,氏名,所属
・2ページ目:Full Paper(Oral or Poster)の研究背景,目的,コントリビューション
・3ページ目:Full Paper(Oral or Poster)の実験方法
・4ページ目:Full Paper(Oral or Poster)の実験結果

発表方法

・自己紹介と論文紹介:4分
・質疑:4分
・入れ替え:1分

論文カテゴリ分け・疑似査読者会議

・論文発表後,論文を分類(デバイス,アプリケーション,知覚等)し,学会のトレンドを掴む.
・分類に従って1グループあたり5名程に分かれる.グループ内で採択率に従って論文の採択・非採択を決定する疑似査読者会議を行う
・グループの代表1名が採択・非採択論文とその理由について発表する.

その他

・気軽に発表準備してもらえればと思います.
・発表したい論文がある場合には伝えて頂ければ対応します.尚,なるべく自分の専門分野とは近くない論文を推奨します.

プログラム

※敬称略

  • 12:30 受付開始
  • 13:00-13:10 開会の言葉(ヤェムビボル)
  • 13:10-14:00 論文紹介①(座長:ヤェムビボル)
    • 発表4分+質疑4分+入替1分+予備1分
    • 13:10-13:20 金子征太郎
      Confinement of vibrotactile stimuli in narrow plates
    • 13:20-13:30 黒木帝聡
      The many dimensions underlying perceived softness: How exploratory procedures are influenced by material and the perceptual task
    • 13:30-13:40 佐瀬一弥
      Stiction rendering in touch
    • 13:40-13:50 髙橋洋一郎
      Spatiotemporal Haptic Effects from a Single Actuator via Spectral Control of Cutaneous Wave Propagation
    • 13:50-14:00 芳賀浩史
      Elimination of Cross-dimensional Artifacts in the Multi-Dof Time Domain Passivity Approach for Time-delayed Teleoperation with Haptic Feedback
  • 14:00-14:10 休憩
  • 14:10-15:00 論文紹介②(座長:永野光)
    • 発表4分+質疑4分+入替1分+予備1分
    • 14:10-14:20 芹澤洸希
      Perceptual Space of Regular Homogeneous Haptic Textures Rendered Using Electrovibration
    • 14:20-14:30 森崎汰雄
      The contributions of skin stretch and kinesthetic information to static weight perception
    • 14:30-14:40 黒木詢也
      Roughness rendering by sinusoidal friction modulation: Perceived intensity and gradient discrimination
    • 14:40-14:50 堀江新
      Soft Exoskeleton Glove Enabling Force Feedback for Human-Like Finger Posture Control with 20 Degrees of Freedom
    • 14:50-15:00 矢内智大
      Effect of Remote Masking on Detection of Electrovibration
  • 15:00-15:10 休憩
  • 15:10-16:00 論文紹介③(座長:前田智祐)
    • 発表4分+質疑4分+入替1分+予備1分
    • 15:10-15:20 稲垣匠馬
      RealWalk: Haptic Shoes Using Actuated MR Fluid for Walking in VR
    • 15:20-15:30 石丸嵩也
      Tasbi: Multisensory Squeeze and Vibrotactile Wrist Haptics for Augmented and Virtual Reality
    • 15:30-15:40 池田尚登
      Realistic Haptic Rendering of Collision Effects Using Multimodal Vibrotactile and Impact Feedback
    • 15:40-15:50 斎藤薫
      Multi-modal Design to Promote Social Engagement with Dementia Patients
    • 15:50-16:00 (予備)
      論文タイトル
  • 16:00-16:10 休憩
  • 16:10-16:30 カテゴリ・グループ分け(座長:永野光)
  • 16:30-17:00 疑似査読者会議
    • グループA(ファシリテータ:田辺健)
    • グループB(ファシリテータ:中村拓人)
    • グループC(永野光,ヤェムビボル,前田智祐,金子真弓)
  • 17:00-17:20 休憩
  • 17:20-17:50 査読結果発表(座長:前田智祐)
    • 発表5分+質疑2分+入替1分+予備1分
    • 17:20-17:30 グループA代表者
    • 17:30-17:40 グループB代表者
    • 17:40-17:50 グループC代表者
  • 17:50-18:00 閉会の言葉(ヤェムビボル)
  • 18:30-20:30 懇親会

懇親会

時間:18:30-20:30
会場:ねぎま 三ぞう 本郷三丁目店
https://bit.ly/2kuL01h
会費:学生3000円,社会人5000円

オーガナイザ

石塚 裕己(大阪大学)
岡崎 龍太(会社員)
田辺健(産業技術総合研究所)
永野 光(神戸大学)
中村拓人(東京工業大学)
蜂須 拓(筑波大学/University of California, Santa Barbara)
伴祐樹(東京大学)
前田智祐(豊田中央研究所)
ヤェム ヴィボル(首都大学東京)

お問い合わせ

younghaptics[at]gmail.com

コメント

このブログの人気の投稿

触覚若手の会×ろぼやん交流会 in ROBOMECH 2023

触覚若手の会 第18回集会 World Haptics Conference (WHC) 2023勉強会@オンライン会議

触覚若手の会 世代間ハプティクス交流会