触覚若手の会 第14回集会 World Haptics Conference 2021勉強会@オンライン会議

Updates

・2021年10月4日(月):事後報告公開

・2021年9月27日(月):プログラム修正

2021年9月01日(水):プログラム公開

・2021年7月30日(金):ウェブページ公開

事後報告




2021年9月29日(水)、オンライン会議(Zoomを使用)にて19名が集まり,World Haptics Conference2021勉強会を実施しました.本勉強会は下記の「World Haptics Conference2021勉強会とは」にあるように,国際学会で採択された最新の研究や論文の評価方法を学ぶために,参加者がWorld Haptics Conference2021の論文紹介や査読者として論文を評価するプロセスを体験しました.


論文紹介


計測・心理・デバイスの3つのセッションにおいて、それぞれ参加者が1件の発表を行いました。発表は,自己紹介1分,論文紹介7分,質疑3分,入れ替え1分の12分構成としました.質疑はGoogleDocに各自記入し,座長が代読する方式で進めました.

疑似査読者会議

計測・心理・デバイスの3つのセッションごとに、参加者がブレークアウトルームに分かれ、各論文に対する評価を行う疑似査読者会議を実施しました。疑似査読者会議では,論文の評価ポイントとして,World Haptics Conferenceで用いられる項目をベースにして議論が行われました。筆者が参加した計測グループでは、その中でも「新規性」「再現性」「妥当性・有用性」の3項目について5点満点で採点し、採点後に全員で採点の妥当性を議論しました。計測グループの論文はWorld Haptics Conferenceにおける受賞論文が多く高いレベルの戦いとなりました。新規性・再現性は文句をつけづらい論文が多く、最後は有用性の観点における差でベストペーパーが決まることとなりました。

結果発表


疑似査読者会議の結果は以下のようになりました.

「計測」グループ 論文名:How to Measure the Area of Real Contact of Skin on Glass 紹介者:青木吾郎
「心理」グループ 論文名:Perceived Hardness of Virtual Surface: A Function of Stiffness, Damping, and Contact Transient 紹介者:亀岡嵩幸
「デバイス」グループ 論文名:Phononic Crystals Applied to Localised Surface Haptics 紹介者:黒木帝聡

筆者感想


今回はいままでの学会勉強会よりも研究紹介時間を長くして実施しました。その結果、個々の研究についてしっかり学ぶことができ、またそれに伴い、疑似査読者会議における議論も研究内容に即して深く議論できたと思います。実際、疑似査読者の結果を全体的にみるとIEEE Transactions on Hapticsに採択されたペーパーが、Technical paperに採択されたペーパーよりも高評価であり、疑似査読者会議がある程度機能していたことを示しています。また今回は初めて参加される参加者が多く、その方々を交えた情報交換が盛況に懇親会にて行われました。事後アンケートにおいても、「本日の勉強会の内容は今後の研究活動に役立つと思うか」という項目において、5段階評価で4.625点という高得点で満足度の高い会となりました。今後も引き続き、会員の研究活動に役立つ企画を行う予定です。(日本電信電話株式会社 宇治土公雄介)

World Haptics Conference 2021勉強会とは

World Haptics Conference (WHC) 2021で発表された論文(Technical paper  or ToH Short Paper)を勉強するための会です.論文紹介を参加者全員で行い,WHC 2021で発表された論文内容を広範囲に渡って勉強します.また,疑似査読者会議と呼ばれるセッションで,自分たちでそれらの論文を評価し,どのような基準で論文を採択しているのかを考えます.これらのプロセスを通じて,国際会議で採択されるようなテーマ立案や論文の書き方を勉強します.具体的には以下の内容を考えています.

  • 発表者は自分が読んだ論文を紹介

  • 発表された論文全体をカテゴリ分けすることでトレンドを把握

  • カテゴリ分けした論文に点数を付けてレビューを行い,査読者心理を学ぶ


触覚以外の研究分野の方からの参加も歓迎します!


なお,新型コロナウィルス感染症の状況を踏まえ,第13回集会と同様にオンラインで開催いたします.

開催概要

2021年9月29日(水) 13:00 -

会場:Zoom(会場のURLは後日発表)

参加方法

下記Google formより,参加登録してください(締切:2021年8月30日(月) 23:59).

登録はこちらから


※基本的に上記の時間全部に参加できる方のみ参加をお願いします.どうしても難しい場合は参加フォームの連絡欄にその旨を記載してください.


飛び入りでの参加希望の場合は,お問い合わせフォームにてご連絡ください(ご返信にお時間をいただく場合がございますがご了承ください).


事前準備

  • 割り当てられたWHC2021の論文の内容を事前にスライドにまとめていただきます.

  • 論文は各発表者につきTechnical PaperまたはToH Short Paper 1本を考えています.

  • 論文データは各自でダウンロードをお願いいたします.諸事情によりダウンロードが困難な方はお問い合わせから連絡をお願いいたします.

  • スライド中の文字・画像の量に制約は設けません.


スライドの例

  • 1ページ目:タイトル,氏名,所属

  • 2ページ目:論文(Technical paper  or ToH Short Paper)の研究背景,目的,コントリビューション

  • 3ページ目:実験方法

  • 4ページ目:実験結果

発表テンプレート(※テンプレート通りではなくても構いません.)

発表方法(合計12分)

  • 自己紹介:1分

  • 研究発表:7分

  • 質疑  :3分(Google Docsに記載し,座長が代読)

  • 入れ替え:1分

疑似査読者会議

  • セッション内でのベストペーパーを選出する.

  • 選出には事前に準備した評価シートに従い採点及び比較し議論する

  • セッション毎に分かれてZoomブレークアウトルームを利用する.

  • グループの代表1名が選出基準や選出理由について発表する

  • また,議論で得られたベストペーパー選出に必要項目を全体に発表する.

その他

  • 気軽に発表準備して頂ければと思います.

  • 発表したい論文がある場合,参加登録時にお伝え頂ければ対応します.

プログラム

  • 12:30  受付開始

  • 13:00-13:10 開会の言葉(宇治土公)

  • 13:10-14:10 セッション①計測(座長:宇治土公)

    • (12分×5名=60分)

    • Reflection Pattern Sensing for Valid Airborne Ultrasound Tactile Display

    • An Intent-Preserving Approach to Telerobotic Rehabilitation

    • How to Measure the Area of Real Contactof Skin on Glass

    • Optimizing a Viscoelastic Finite Element Model to Represent the Dry, Natural, and Moist Human Finger Pressing on Glass

    • An Open-Source Robotic Tool for the Simulation of Quasi-Static Finger Pressing on Stationary and Vibrating Surfaces

  • 14:10-14:20 休憩(10分)

  • 14:20-15:08 セッション②心理(座長:中村)

    • (12分×4名=48分)

    • Psychophysical Validation of Interleaving Narrowband Tactile Stimuli to Achieve Broadband Effects

    • Perceived Hardness of Virtual Surface: A Function of Stiffness, Damping, and Contact Transient

    • Perceptual Quality Assessment of Compressed Vibrotactile Signals through Comparative Judgment

    • Evaluating the Effect of Stimulus Duration on Vibrotactile Cue Localizability with a Tactile Sleeve

  • 15:08-15:18 休憩(10分)

  • 15:18-16:30 セッション③デバイス(座長:前田)

    • (12分×6名=72分)

    • Hedgehog: Handheld Spherical Pin Array Based on a Central Electromagnetic Actuator

    • Effect of Surface Temperature on Finger Friction and Perception in Electroadhesion

    • Enhancing Multi-Sensory Cue Salience and Perceptual Identification in a Wearable Haptic Device

    • Conversing Using WhatsHap: A Phoneme Based Vibrotactile Messaging Platform

    • Phononic Crystals Applied to Localised Surface Haptics

    • A Novel Device Decoupling Tactile Slip and Hand Motion in Reaching Tasks: The HaptiTrack Device

  • 16:30-16:40 休憩(10分)

  • 16:40-17:50 疑似査読者会議(座長:田辺)(70分)

    • Zoomブレークアウトルームにて各セッションに分かれて議論

    • (ファシリテーター:宇治土公,中村,前田)

  • 17:50-18:00 開会の言葉(田辺)

  • 19:00-21:00 懇親会

懇親会

時間:19:00~

会場:オンライン飲み会(Zoom)

オーガナイザ

宇治土公 雄介(日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所)

田辺 健(産業技術総合研究所)

中村 拓人(東京工業大学)

前田 智祐(豊田中央研究所)

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