触覚若手の会 第17回集会 若手触覚研究者向けのキャリア講演会

 

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・2022年12月19日(月):事後報告掲載 ・2022年10月18日(火):ウェブページ公開


事後報告

2022年12月13日(火)にオンラインにて,若手触覚研究者向けのキャリア講演会を開催しました.本講演会は2部制となっており,1部では経験豊富なゲスト講演者に特別講演をしていただき,2部では若手の会多様なキャリアを持つ触覚若手の会会員によるライトニングトークを行いました.今回は触覚若手の会史上,最多の45名の参加者(講演者含む)が集まったことから,日ごろキャリアに関して悩む若手の問題意識にダイレクトに訴求することができた講演会だったのではないかと思われます.



第一部

第一部では慶応義塾大学の仲谷正史先生と,ピクシーダストテクノロジーズ株式会社の星貴之先生にご講演いただきました.仲谷先生からは,学生時代から就職を経て6回の転職するに至るまでの各所での仕事内容や苦労話,当時心がけていらっしゃったことを笑い話を交えつつお話しいただきました.星先生からは,ご自身のキャリア,企業の中での研究内容と,そして研究を現在は誰のためを思って行っているかについてご講演いただきました.パネルディスカッションにおいても,日ごろ表立っては聞きづらい質問も含めて,盛んに質疑が交わされました.

第二部

第二部では若手の会会員の5名が自身のキャリアを踏まえた直近の後輩への情報共有を,ライトニングトークという形で行いました.中村拓人先生からは,博士卒業後から現在の大学教員に至るまでのキャリア選定理由を,客観的なデータとともにお話しいただきました.江口僚先生からは,海外大ポスドクの選定理由や所属組織の選定理由などをお話しいただきました.小村啓先生からは,企業への就職後に大学教員に進むことになった転機などについてお話しいただきました.田辺健先生からは,産業総合技術研究所について,田辺先生のやっておられる日ごろの活動や研究所の特徴を丁寧にお話しいただきました.私(宇治土公)からは企業にいながら博士号取得を狙う,社会人博士課程について自身の考えを踏まえてご紹介しました.


筆者感想

触覚若手の会の集会としては,普段の活動と異なるキャリア講演会ですが,冒頭に記載しました通り,45名と史上最多の参加者が集まりました.通常の勉強会は20名前後であることを考えると,約二倍の方々に参加いただけたことになります.我々,若手研究者としては,キャリアの選択肢はいくつも目の前に存在するものの,候補となるそれぞれのキャリアの特徴やそのキャリアが自身に適合するかどうかは見えづらい状況です.周りの人に知見をいただこうにも,自身の生活する環境から離れた位置にいるキャリアの方には直接お話を伺うことは簡単ではありません.今回のようなキャリア講演会ではそのような,なかなか普段お話を直接伺うことが難しい方々からお話を聞いたり,逆に直接質問をぶつけたりする貴重な機会となったのではないかと思います.今回の講演会における参加者の満足度を示す一例として,「(博士課程にまだ進学されてない方への質問として)今日のキャリア勉強会で話を聞いて,博士課程進学を検討したいと思ったか?」という質問に対しては75%の方がYESと回答されていました.これは博士課程進学後の動向について複数のキャリア選択を今回聞くことで,博士進学後について少しイメージがついて検討しやすくなったことを示しているのではないかと思います.博士課程進学を検討されている方に限らず,企業就職を検討されている方やその後のキャリアを検討中の方にとっても,キャリアの候補のイメージが少しでもつくように本講演会が貢献できたのであればとても嬉しく思います.


最後にお忙しい中,ご講演いただいた仲谷先生,星先生,若手の会のみなさまには心から御礼申し上げます.今後も,触覚若手の会の会員の皆様の問題意識に訴求できる企画を開催していきたいと考えています.(NTT/宇治土公 雄介)


若手触覚研究者向けのキャリア講演会とは


触覚研究に取り組んでいる博士学生・ポスドクで「今後の進路が心配・・・。」と悩んでいる方,または修士学生・学部生で「博士課程に進学したいが就職はあるのかな・・・。」と悩んでいる方はいらっしゃいませんか??このようなお悩みを少しでも解決するために,本講演会では大学や企業で活躍されている触覚研究者に体験談をご講演いただき,多様化する博士課程修了後のキャリアパスについて検討します.本講演会は二部制となっており,第一部では豊富なキャリアを持つ先生方からご講演いただき,さらにパネルディスカッションを通して,今後のキャリア選択の議論や参加者の悩み相談を行います.第二部では,数名の若手の会会員にキャリアに関するライトニングトークを行っていただき,キャリア選択の幅を広げることを目指していきます.具体的な講演内容は以下の通りです.


  • キャリア選択の体験談

  • 学生時代の研究で現在のお仕事に生かせられている点

  • 講演者の所属組織(大学・企業)のメリット/デメリット

  • 講演者からの若手へのアドバイスやメッセージ


これ以外にもこういう話が聞きたい!!という要望がありましたら是非御伝え下さい.また,触覚分野以外からのご参加も大歓迎です!!

開催概要

2022年12月13日(火)13:00~(12:30開場)

会場:Zoomによるオンライン会議(参加登録時の返信メールにリンクが記載されています.)

参加方法

下記Google formより,参加登録してください(締切:2022年11月29日(火)).https://forms.gle/1Ktr36fBCUiBeHHX6

第一部:講演者

仲谷 正史(慶應義塾大学)

触覚研究者. 慶應義塾大学 環境情報学部 准教授.現職に至るまで,転職6回.共著書として『触楽入門』(朝日出版社),『さわる たんけんたい』(福音館書店).

研究者情報:https://k-ris.keio.ac.jp/html/100012619_ja.html

研究室ホームページ:https://touchlab.sfc.keio.ac.jp/



星 貴之(ピクシーダストテクノロジーズ株式会社)

2008年 東京大学大学院博士課程修了後,空中超音波触覚をはじめ非接触インタラクションの研究開発に従事.熊本大学助教,名古屋工業大学特任教員,東京大学助教を経て,オープンイノベーションを促進するため2017年にPxDT参画(取締役 CRO).超音波技術の社会実装に向けた取り組みを進めている.


※敬称略

第二部:触覚若手の会会員からのライトニングトーク

  • 中村 拓人(東京大学) 博士卒→大学(学振PD)→大学(特任助教)

  • 江口 僚 (スタンフォード大学)博士卒→海外大(海外学振)

  • 小村 啓(九州工業大学) 修士卒→企業→博士号取得→大学(助教)

  • 田辺 健(産総研) 博士卒→研究機関
  • 宇治土公 雄介(NTT) 修士卒→企業→博士号取得→企業

プログラム

第一部 特別講演

  • 13:00-13:05 開会式(田辺)

  • 13:05-13:35 特別講演①

    • 講演者:仲谷 正史(慶應義塾大学)

    • 題目 :触覚研究者の国際キャリアパス

  • 13:35-14:05 特別講演②

    • 講演者:星 貴之(ピクシーダストテクノロジーズ株式会社)

    • 題目 :誰のために研究をしますか?

  • 14:05-14:25 パネルディスカッション(司会:宇治土公)

  • 14:25-14:30 中締め(宇治土公)

---------------10分休憩---------------

第二部 会員からのライトニングトーク

  • 14:40~15:20 発表(8分×5名程度)

  • 15:20~15:40 質疑(司会:前田)

  • 15:40~15:45 閉会式(司会:前田)

オーガナイザ

宇治土公 雄介(日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所)

田辺 健(産業技術総合研究所)

中村 拓人(東京大学)

前田 智祐(豊田中央研究所)

お問い合わせ

以下のフォームより受け付けております.

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScOgLRlgInPpyJvbFdHoDqoG4HhTq1zoPFvd3esp5vxx1zyxA/viewform


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