触覚若手の会 第11回集会 質問力勉強会@オンライン会議

Updates
2020年10月6日(火): 事後報告公開
2020年9月14日(月): 発表タイトル公開
・2020年9月 8日(火): 開催概要の変更,プログラムを更新
・2020年7月17日(金): ウェブページ公開

事後報告



2020年9月15日(火),オンライン会議(Zoomを使用)にて17名の若手触覚研究者が集まり,質問力勉強会を実施しました.本勉強会は下記の「質問力勉強会とは」にあるように,研究発表に対する質問する能力を養うために,研究発表に対して質問し,最後に質問を振り返りながら「良い質問とはなにか」を分析しました.

研究発表&質疑 まずは実際に研究発表に質問する研究発表セッションを行いました. セッションは選抜者による研究発表(10分)の後,参加者による質疑(10分)を行いました.発表者は幹事が選抜し,博士課程,ポスドク,教員と発表経験がある程度分散するように設定しました.質疑は,参加者が指定のGoogleDocに質問を記入し,セッション座長が選択及び読み上げる形式で行いました(下図).質疑の時間を10分設けたため1発表に対して10件近い質問が寄せられ,通常よりも多くの質問をとりあげることができました.



フリーディスカッション フリーディスカッションでは発表&質疑を受けて「良い質問」とはなにかを議論しました.議論の順としては, ・前セッションでの質問を受けて,質問のカテゴライズ ・発表者目線で良い質問,聞かれて嬉しかった質問はなにかを発表者から発表 ・参加者全員からの感想 としました.

質問のカテゴライズ  詳細を訊く質問(パラメータの質問)  研究内容が発展するような質問(転用の質問)  発表者が持っていなかった視点の質問  ただの感想  目的はなんですか  改めて話す機会をつくる質問  どこにも公開してない情報を聞き出せる  攻撃な質問(これはNG)

発表者目線からは以下の様な意見が寄せられました. ・良いというか,されて嬉しい質問のひとつに,次にやることや将来的にやるべきことにつながるような質問(中村先生) ・やるべきことだが,自分が気づいていない内容.(実験統制や条件など)(中村先生) ・攻撃をする質問は良くない.(宇治土公先生) ・頭にはあったが、ストーリー構成の都合上含むことが出来なかった、研究の切り口についての質問(森崎先生) ・発表で割愛した内容に関する質問はディスカッションの時間を使って丁寧に使えることができて非常に良かったと思います.(田辺先生) ・自分が調べてきれてないor自分になかった視点は質疑中は苦しいですが、研究のアイディアとして有益に感じました.(田辺先生) ・自分がやろうとおもってやってなかった,「質問されるだろうな」とおもっていた質問 (嵯峨先生) ・自分が気付くべきなのに気付かなかった質問 (嵯峨先生) ・発表中にはでてこなかったけど,自分が大事だとおもってた主張につながる質問 (嵯峨先生)

参加者全員からの感想は以下のようになりました. 「独り言のような感想も馬鹿にできないかなぁと思う」 「他の質問が参考になった」 「発表者にとってわかりやすい質問も大事」 「聴衆者側の知識が増やすような質問」 「発表者に質問がないことが無礼だという教え(先生の師匠から)」 「良い質問をしてもらうために,良い研究をそもそもする」 「国内学会で質問してもらって,国際会議に出すのが良い(コンスタントに).評価したいけど,わからないから国内学会で発表する」

表彰式 フリーディスカッションの後に,「最も良い質問者」を幹事団が選出し,表彰しました.表彰者は「質問数が最多」であった稲垣さん,と「最も多く議論の中で言及された質問」をした矢内さんとなりました.

執筆者感想 本勉強会で質問に関してより深く考えるきっかけとなりました.「質問力」は学会だけでなく,ゼミや講演の場でも良い質問をすることで良い議論を生む力になると思いました.また,質問のカテゴライズも個人的には有益と感じました.質問が思い浮かばないときに,各カテゴリに発表を振り返ることで,何かしら質問が生まれてくるのではと思いました.参加者からの感想もポジティブで,中でも「質問しないことは発表者に対して失礼」という発言が印象的でした.攻撃的な質問を除いて失礼な質問はほぼ存在せず,むしろ質問しないことの方が失礼であり,今後は質問が必ずできるように聴講しようと思いました. 以上のように質問力勉強会を開催しましたが,参加者の皆様には研究室や国内学会,国際学会での質疑でも勉強会の成果を活かしてもらえればと思います.
(執筆:中村拓人)

質問力勉強会とは

国際会議において日本人の質問数が少なく,参加人数の割に存在感が低いことを懸念しています.そこで,若手の質問力を向上させるために,学会における質問力を養うことに特化した勉強会を開催します.本勉強会の主役は質問者(聴講者)です!発表資料等の準備はなしで,当日全力で質問していただきます.学会想定した口頭発表と質疑回答を通して質問の練習をすると共に,議論が盛り上がるような「良い質問」を参加者全員で模索します.具体的には以下の内容を検討しています.

・幹事団が自身の研究について発表(予定)
・参加者は学会と同様に発表内容について全力で質問
・実際に出た質問を分類することで「良い質問」について模索
・分類した質問に得点をつけて最多得点の参加者をMVQ(Most Valuable Questioner)として表彰

触覚以外の研究分野からの参加も歓迎します!

なお,新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ,第10回集会と同様にオンラインで開催いたします.

開催概要

2020年9月15日(火) 13:30- 会場:Google Meet(会場のURLは後日発表)
   Zoomに変更になりました.(参加登録いただいた方にURLをお送りします)

参加方法

下記Google formより,参加登録してください(締切:2020年8月18日(火) 23:59).
https://forms.gle/jzjH7nmXSJCHWL9G7

※基本的に上記の時間全部に参加できる方のみ参加をお願いします.どうしても難しい場合は参加フォームの連絡欄にその旨を記載してください.

飛び入りでの参加希望の場合はyounghaptics[at]gmail.comまでご連絡ください(ご返信にお時間をいただく場合がございますがご了承ください).

事前準備

全力で質問するぞ!という気持ちを作ってきたください.

発表方法

・研究発表:10分
・質疑回答:10分
※発表は幹事団(+α)

質問の注意

・できるだけ多くの質問のサンプルを使って議論したいので,多少質問の質が落ちても良いので,積極的に質問をお願いいたします.
・あまり緊張せずに,気軽に質問していただければと思います.
・笑顔を忘れずに.

プログラム

13:00 受付開始
13:30-13:40 開会の言葉(田辺)
13:40-13:50 参加者の自己紹介
13:50-14:50 セッション①(座長:田辺)
  • 13:50-14:10 中村拓人(東工大)
    Actuated-Club:クラブ姿勢補正のための力覚フィードバック付きゴルフクラブ型デバイス
  • 14:10-14:30 宇治土公雄介(電通大)
    装着型多点接触ディスプレイの開発に向けた接触点密度による形状認識への影響調査
  • 14:30-14:50 森崎汰雄(東大)
    高解像な超音波Lateral Modulation刺激を用いた圧覚の非接触提示 
14:50-15:20 休憩(30分)
15:20-16:20 セッション②(座長:中村)
  • 15:20-15:40 田辺健(産総研)
    非対称振動の周波数成分間の位相差に基づく牽引力錯覚の特性
  • 15:40-16:00 嵯峨智(熊本大)
    剪断力によるテクスチャ提示手法
  • 16:00-16:20 予備枠
16:20-16:30 休憩(10分)
16:30-17:30 フリーディスカッション(座長:前田)
17:30-17:45 休憩
17:45-18:00 表彰式・開会の言葉(前田)
18:30 懇親会

発表時間:20分(発表10分,質疑:10分)

    懇親会

    時間:18:30 -
    場所:Zoomによるオンライン飲み会(予定)

    オーガナイザ

    石塚 裕己(大阪大学)
    田辺健(産業技術総合研究所)
    永野 光(神戸大学)
    中村拓人(東京工業大学)
    蜂須 拓(筑波大学)
    前田智祐(豊田中央研究所)
    ヤェム ヴィボル(首都大学東京)

    お問い合わせ

    younghaptics[at]gmail.com

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